正確に言うと、前谷津川の“上”を散策になると思います。
かつて板橋区には、赤塚新町から赤塚、徳丸、高島平をとおり荒川に流れつく前谷津川という川がありました。しかしその川は戦後の高度経済成長とともに暗渠(フタがされること)となり、下水道となりました。
今回その前谷津川の足跡を知るべく、娘(3歳)と一緒に散策してみることにしました。
が、町に埋もれるようにしっかりと暗渠化されてしまっているのか、まず赤塚新町にあるという川の出発点がどこかわからない。
ここかなという細い道を選択し、すこしずつそれらしき道をたどっていきました。
大宮バイパスを東に抜けしばらく北に下るとそこに見えたのは、水車公園。
公園の管理の方に聞いたところ、この水車はかつて自然の川の流れの中で実際に使われていたそうですが、今は水道水と井戸水を電動で流しながら、公園のシンボルとして動かされています。公園の開園時間の午前9時から午後4時30分まで動き、それ以外の時間は電気が止まるため水車は動きません。
水車の向かいには小さな水田用の土地がありました。地域の小学生がそこで季節になると田植えをし、米を収穫するそうです。
【左に見えるのが水田用の土地、右が水車】
水車公園の前には前谷津川緑道につながる小道ときれいに掃除された溝がありました。その溝にはかつて水道水が循環して流れていたそうですがしばらくしてポンプが壊れ、以後水の流れない溝となり今に至っています。
【溝は公園管理の方によってきれいに清掃されていた。でも水が流れないのはさびしい】
水車公園から東に1、2分歩くと徳水亭という日本庭園があります。そこもきれいに整備されていて、人工で流れる小さな滝と池がありました。
【徳水亭】
徳水亭から東にしばらく行くと、道路を挟んで石川橋公園。ここで娘は滑り台とブランコでしばらく遊びました。公園の真ん中にある数本の桜並木が、その脇にかつて前谷津川が流れていたんだろうな、と想像させてくれます。
【石川橋公園。でも橋らしきものは見当たらない。】
石川橋公園を出るとすぐに、前谷津川緑道の入り口です。
【前谷津川緑道入口】
人通りも少ないのでゆっくり自転車で進んでいきます。静かで落ち着いた道です。下水になる前の前谷津川はどんな川だったのだろうか、と想像しながら道を進んで行きました。
ある程度緑道を進んでいくうちにお昼前になり、娘が空腹を訴え始めたので、最後にすぐ近くにある昆虫公園にたちよりました。
【昆虫公園】
真冬なのでさすがに生きた昆虫には出会えませんでしたが、カブトムシの幼虫がいるという施設や、板橋区内で採集したカブトムシなど多種多様な昆虫の標本などを見学できました。
【昆虫の標本たち】
ところでこの昆虫公園、今年3月末をもって廃止になるそうです。
昆虫公園廃止について(H26.11.13)
利用者数の減少と老朽化が廃止理由ということです。しかし、利用者が少ないならばなぜどうしたら増えるか対策を講じないのでしょう。老朽化で修繕が必要な個所があれば適宜修繕すればよいはずなのにそうせず、なぜ廃止と結論付けるのでしょうか。
身近に昆虫に触れたり見たりすることができるこういった施設は、子どもにとって貴重で大切です。自然に触れる子育てという視点からも大事です。長年運営されてきたこういう子どものための施設が無くなるのは悲しく残念なことです。
今回、廃止という話をきき、板橋区の子育て政策は今後どうなっていくのか不安になりました。
いたばし未来創造プランにもとづく廃止とありますが、このような政策で板橋の未来が創造できるのか区民目線のチェックが必要で、子育て世代がしっかり子育て政策にかかわり子育て環境作りにかかわっていかなければならないと思いました。
前谷津川散策、今回はこの辺で中断しましたが、また改めて続きの散策もしていきたいと思います。