これまで、【板橋区特別職報酬等審議会(2011年12月21日開催)〔非公開(傍聴不可)】について、4回にわたりブログを発信してきました(「① 関連資料が公開されました」、「② 『審議等の状況』に関する所感など」、「③ 『答申』のこと」、「④ それぞれの報酬額」)。
その結果たびたび、これらのブログを読んだ方からコメントもいただき、この件について関心の高さを実感しています。
今後も、「区長や議員などの雇い主は区民」という観点から、区民目線で特別職の報酬や議員や特別職の特権などについて注視していきたいです。
最後に、ブログの「②『審議等の状況』に関する所感など」 http://shigakishinya.jpn.org/archives/1073 (以下、ブログ②)で紹介した、同審議会関連の『審議等の状況』の発言者の記載方法について、少し補足します。
ブログ②でも紹介しましたが、この記載方法だと、審議会委員の発言の場合、発言者が「委員」としか書かれておらず、委員の誰が発言したのか全く分かりません。
この点について、板橋区に以下のような【お尋ね】をしました。
【お尋ね】
発言者が役職のみの記載になっていて、例えば「委員」のみだと委員の誰が発言したのかわからないのですが、なぜ誰が発言したかわからないような資料を作成した理由は何でしょうか?
また、この「審議等の状況」では誰が発言したかわからないため、誰が発言したかわかるような別の資料などがあれば、どのようにしたら閲覧できるか、など教えていただけますでしょうか?
その結果、区役所より以下のような【回答】をいただきました。
【回答】
会議録における発言者の表記については、東京都板橋区情報公開条例第6条第1項第5号における、「公にすることにより、率直な意見の交換若しくは、意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に区民の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当に利益を与え若しくは不利益を及ぼすおそれがあるもの」にあたるとし、「委員」としております。
なお、上記の理由により、発言者が特定できる公開資料はございませんのでご了承ください。
つまり、 「委員の誰が発言したかについて公開しない。」ということだそうです。
確かに【回答】の同条例同項第5号に多々ある「不当に云々・・・。」については、公にする際には配慮すべきものでしょう。
ただし、だから(配慮しきれないから)といって非公開というのは、審議会の現状が区民に十分理解することができないことを表し、未だ閉鎖的であり、改善の余地があるといえます。
したがって、特別職報酬の担い手、つまり納税者である区民が審議会の現状をより知るため(この件においては、会議録における発言者の公開)には、どのようにこれら不当要素を解決、または対処するかについて議論していく努力が必要でしょう。
この努力は、主に行政側、そして審議会委員の皆さんなどに求められると思います。
同時に区民としても現時、公開資料・情報は限られているなかではありますが、現状を知り、改善点を指摘していく作業を少しずつでも行っていくことが、より区民の声が活かされる自治体を作っていくうえで大切かと思います。
なお、閲覧可(公開資料)となっている、審議会資料によれば、現在の特別職報酬等審議会委員は、以下の9名です(敬称略)。
〔ちなみに会議録(審議等の状況)では、会長以外はどの委員が発言したかわかりません。したがって、どの委員が特別職報酬についてどう思っているのか個々の意向を知ることが現時できないのですが、ご参考まで。〕
板橋区特別職報酬等審議会
<審議会会長>
中村辰三(元区議)
<審議会委員>
坂野文雄(関税会会長)
小口勝重(元区議)
木村良子(公認会計士)
田中順一(元区議)
谷田剛一(商工会議所板橋支部相談役)
中西春美(民間会社会長)
原田二郎(町会連合会蓮根支部長)
吉野千津子(弁護士(板橋法曹会))
※「板橋区特別職報酬等審議会」関連資料は、区内図書館などで閲覧できます。