会議録「板橋区特別職報酬等審議会の公開と審議会委員に公募区民を取り入れることを求める陳情」について

 例年この時期(11月ころ)に行われている、議員や区長等の報酬について審議される板橋区特別職報酬等審議会。
 今年も行われるのか、はたまた既に行われたのか、、。
 
 実はこの特別職報酬等審議会、なんと区民に非公開(傍聴不可)なんです。
 
 そしてこの非公開の審議会を介して、区議会議員の年収はここ数年、区民の知らない間に徐々にアップしているんです。
 さらに、この審議会委員は元区議会議員などで構成されていて、公募区民はゼロなんです。
 議員や区長の報酬等は区民の税金で成り立っているはず。にもかかわらずなぜ区民がその審議を傍聴したり、委員として公募できないのでしょう。
 
 ちなみに、板橋区以外では特別職報酬等審議会はあるのですが、公開(傍聴可)となっていたり、委員に公募区民を取り入れたりする自治体はあります。
 
 なぜ板橋区はこうなのか。これはまさしく“密室政治”と言えるのではないでしょうか。
 
 そう考え、私は以前、板橋区議会に「板橋区特別職報酬等審議会の公開と審議会委員に公募区民を取り入れることを求める陳情」を出したのですが、不採択とされてしまいました。。
 
 今回その不採択にかかる、議事録を、板橋区議会会議録サイトで見つけましたので、いかに添付します。そのまま添付しているので、議員名等敬称略となっていることをご了承ください。
 
 どの議員がどういった意見を発し、どういった経緯で不採択となったかがこの議事録でわかります。
 
 審議会の公開、委員に区民を公募する。どの自治体もやっていないようなことを求めているわけではありません、が、なぜ板橋区議会はそれを否定するのか。
 
 それはたぶん、板橋区政や板橋区議会の根底に、未だ区民を信頼し、区民と共に区民のための区政や区議会にしていこうという思いが同審議会の公開、委員の公募を行っている他の自治体と比較しても希薄だからではないかと今回の不採択の結果等を通して感じています。
 
 そういったそもそものところから変えていくことが、区民のための区政、区議会の実現に必要なことではないかと思っています。
 そして思っているだけで実際はほぼ無力なのがふがいないところでもあります。。
 

—-板橋区議会 平成27年 企画総務委員会 本文 2015-12-02
◯委員長
 それでは、議題に入ります。
 初めに、陳情第37号 板橋区特別職報酬等審議会の公開と審議会委員に公募区民を取り入れることを求める陳情を議題といたします。
 陳情の朗読を省略し、理事者より現状について説明願います。
◯総務課長
 それでは、陳情第37号につきまして説明をさせていただきます。
 陳情の要旨といたしましては、2点ございます。1点目は、特別職報酬等審議会を公開にすること。2点目は、特別職報酬等審議会委員に公募委員を入れるということでございます。
 1点目の審議会の公開についてでございます。
 本審議会は、会議の運営方針というものがございまして、この中で、会議は非公開とする。ただし、出席委員の過半数の者の同意があるときは公開とすることができると定めてございます。現在までのところ、委員の了承の上、非公開としております。非公開の理由といたしましては、委員の皆様に自由闊達な意見交換をしていただくためでございます。
 この前提といたしましては、平成15年に附属機関に関する要綱と基準が策定されまして、公開の方法といたしまして、会議の傍聴、それから会議の記録及び会議資料の閲覧が規定されているところでございます。一方、この基準の中には、公開することにより率直な意見交換に支障を来すなど、公正かつ円滑な審議が阻害され、会議の目的が達成されなくなるおそれがある場合は非公開とすることができると規定がされてございます。
 この考え方から、本審議会は会議の傍聴は不可としておりますけれども、会議の記録につきましては、委員名を特定しない形で、会議資料も含め、区政資料室及び各図書館、区ホームページで公開を行っているところでございます。
 2点目の公募委員についてでございます。
 本審議会は、条例により、区の区域内の公共的団体等の代表者、その他区民のうちから区長が委嘱する10人以内をもって組織すると定められておりまして、現在の委員は、元区議会議員が3名、町会連合会から2名、納税貯蓄組合連合会から1名、民間会社代表取締役1名、弁護士、公認会計士、各1名の9名で構成されておりまして、現時点で区民公募委員は含まれてございません。
 審議会の委員の選任につきましては、住民各層の意向を公平に反映されるよう配慮することとしました国の通知を踏まえますとともに、本審議会条例を基本として区長が委員を選任しているところでございます。
 簡単ではございますが、説明は以上でございます。
 よろしくお願いいたします。
◯委員長
 本件に対する理事者への質疑、並びに委員間の討論のある方は挙手願います。
◯いわい桐子
 今のご報告で、1つ目は公開してくださいということなんですけれども、公開の中身についてはホームページ等で報告されているということなんですが、公開の仕方は要点筆記なのか議事録なのか、どういう状況になっているのかということと、それから報酬等審議会で議論する対象となっているものは何でしょうか。
◯総務課長
 まず、公開をしている中身の話でございますが、要点筆記ではなく、議事録を公開しているところでございます。
 それから、報酬審が対象としている方たちでございますが、対象といたしましては、区長、副区長、教育長、代表常勤監査委員、いわゆる区の特別職、それから区議会議員の皆様、また行政委員会の委員といたしまして、教育委員会、選挙管理委員会、農業委員会、監査委員が対象となっているものでございます。
◯いわい桐子
 それから、審議会の委員は、先ほどさまざまな町会の方やいろいろ入っていますけれども、この選考のどういう人に入ってもらうかという、何か基準や考え方があれば伺いたいのと、審議会によっては区民公募委員というのをつくっている審議会等いろいろありますけれども、この報酬等審議会について区民公募を入れていない理由というのは何かございますか。
◯総務課長
 まず、考え方でございますけれども、いわゆる明確な基準というものはございませんけれども、元区議会議員につきましては、議員活動に精通していること、特別職の職務にも精通していることから選ばさせていただいております。それから、町連関係につきましては、いわゆる区民目線から意見を求めることができる。それから、納税貯蓄組合のほうでございますけれども、いわゆる税務六団体というのがございまして、納税者である立場から、税金の使われ方について適切な報酬のあり方についての意見を求めることができるのではないかということでございます。それから、民間会社の代表取締役につきましては、民間会社の経営者の立場から、役員報酬というのはどういうふうにあるべきかというようなことで意見を求めることができるというようなところでございます。それから、公認会計士、弁護士等につきましては、いわゆる民間企業の会計監査を担うというような観点から、民間会社の報酬と比較した場合の特別職の報酬について意見を求めることができるのではないかといった考え方のもとに、現委員さんは選出をしているものでございます。
 それから、公募委員を入れていない理由でございますけれども、現在の委員さんにつきましては、一定程度、先ほど申し上げた方々の職務について、一定、把握ができているといいますか、そういう認識があるというもとの中で、どういう業務を行っているかということを踏まえて、意見を述べることができるということで、一定程度そういった職務に対する理解があるということでございます。その上で、職務に見合う給与、報酬等についても十分ご議論いただけるだけの方々を選んでいるというところから、現在では公募委員を選任していないということでございます。
◯委員長
 この程度で、質疑並びに討論を終了し、意見を求めます。
 意見のある方は挙手願います。
◯安井一郎
 まず、特別職の報酬等審議会の公開、それから公募区民を取り入れること、どちらも私どもの会派としては、まず不採択を主張いたします。
 現行の形での、今、課長ご説明の内容について、もっともであろうと私ども考えている次第であります。よって、この件については1番目、2番目ともに不採択を主張させていただきます。
◯中野くにひこ
 結論から申し上げますと、不採択ということで結論が出ました。
 今課長のほうからもるる説明がありましたように、条例の規定でまず、法ですから、そこでは傍聴としない。でも、実質過半数の同意があれば公開はするということで、その趣旨。また、議事録があるという形で、実質公開に準ずる効用があるという判断をさせていただきました。
 区民公募の件でございますけれども、先ほどご説明あったように、それぞれの専門家、納税貯蓄組合、元議員、庶民の目線から来た代表がそれぞれ各界から構成されているというような部分で、そういう目線、民間の代表取締役の選任という形で、十分網羅されているのかなという理由でもって不採択とさせていただきます。
◯いわい桐子
 結論から言うと、どちらのほうも不採択とさせていただきます。
 ここで書かれている陳情の理由では、税金で賄われているんだから幅広く公開するべきだというふうに言っていますが、そのとおりだと思うんですけれども、現在の状況で言うと、一定程度、委員になっている方へ配慮しながら、でき得る限りの公開は必要だと思うんですね。そういう意味で、要点筆記ではなく、議事録として公開されているということで、その公開も努力はされてきているんじゃないかというふうに考えます。
 もう一つの区民公募という点でも、いろいろ今後も検討が必要かとは思いますが、現状では、区民目線をどう取り入れていくかという部分で、議事録も読ませていただきました。結構シビアな意見が、区民目線に立った給料にするべきじゃないかとか、いろんな意見が結構審議会の中で出されているなということも議事録を読んで思いますので、現状で区民目線でもいろんな議論がされているんじゃないかというふうに考えますので、今回は不採択とさせていただきます。
◯佐藤としのぶ
 私どもも不採択です。
 恐らく減額せよというような話をこの陳情者の方はしたいんだと思うんですけれども、そう考えると、減額をするのであれば、逆に匿名性がないと、そういった議論というのはなかなかならないんだろうなと思うんですよね。身分や待遇を下げていくというときに、名前を出して公開して堂々とやるというのは、それはなかなか難しい話であって、やはり先ほど課長からの説明があったように、自由闊達な意見交換ができるというのは、匿名性だからこそできるという部分はあると思います。
 公募についても、やはり週刊誌のような感情論で議論するものではないので、やはり先ほど説明があったように、納税者の立場、また企業経営者の立場、いろんな経験者、そういった方たちの経験の中からの議論ということのほうがやっぱり適切だろうというふうに思いますので、不採択です。
◯委員長
 以上で、意見を終了いたします。
 これより表決を行います。
 陳情第37号 板橋区特別職報酬等審議会の公開と審議会委員に公募区民を取り入れることを求める陳情を採択することに賛成の方は挙手願います。
         (賛成者なし)
18 ◯委員長
 賛成者なしと認めます。
 よって、陳情第37号は不採択とすべきものと決定いたしました。
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